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数多あるBLジャンルの中でも根強い人気を誇る“救済BL”。
『救済』というだけあって深いテーマを取り扱った作品が多く、描くのが難しいからこそ二人の関係性がうまく描かれ切った素晴らしい作品は心に響きます。
今回はそんな救済BLジャンルからおすすめBL漫画をご紹介いたします。
ちなみに『救済BL』とはどういった作品を指すかというと、以下の通り。
救済(きゅうさい)
苦しんでいる人を救い助けること。
概要
救済(salvation)とは、宗教における基本的な概念の一つ。
引用:ピクシブ百科事典『救済(きゅうさい)とは』
災害や不幸など、何らかの困難な状況、不遇にあっている人を救うこと。
キリスト教では、人間を罪や悪から解放し、真実の幸福を与えること。
古今東西、年代、また宗教を問わずとも、この「救済」(人が救われること)をテーマとした作品はフィクションでも非常に多い。
BLジャンルにおける『救済BL』とは、困難な状況、不幸な状況にあった受け(あるいは攻め)が、相手と出会ったことで救われていく物語と言えます。
「明烏夢恋唄」朔ヒロ
“不器用なリーマン×囚われの烏天狗”
「あんた俺を買ったんだから 好きに触れたらいいよ――…」
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/225196/
会社員の暁人が豆腐小僧に連れられ、足を踏み入れた妖怪専用の遊郭。そこで出会ったのは、黒髪褐色の烏天狗・翠蓮という美しい男娼で――…。
絢爛豪華な「遊郭」を舞台に繰り広げられる、男娼と客の純愛絵巻。
情に厚い不器用な人間のサラリーマン・暁人(あきと)×遊郭で働く囚われの烏天狗・翠蓮(すいれん)
の二人が妖怪専門の遊郭「かすみ楼」を舞台に織りなす、切なくも優しい救済BL作品です。
遊郭、人外、純愛といった魅力的な要素がたっぷりと詰め込まれている「明烏夢恋唄(あけがらすゆめこいうた)」。
通常、ひとつの作品にこれだけ多くの要素があると読み始めは興味をそそられる反面、読後にやや不満が残りやすいかなと感じているのですが。
(設定が詰め込まれすぎているがゆえに、描き足りていない部分が目についてしまい物足りなく感じる。設定の破綻や矛盾が目についてしまう──、などがけっこうあるあるかなと)
しかし「明烏夢恋唄」に関しては、そういった不足や不満を感じないのがすごいところ。
作者の朔ヒロ先生が妖怪好きというだけあって設定もしっかり作りこまれており、話に矛盾や無理がありません。登場人物たちの心理描写も丁寧に描かれています。
大きな翼を持ちながら、遊郭に繋がれ、逃げることもせず妖怪たちに体を売っている翠蓮──。
人間である暁人と客と男娼として出会って互いに惹かれ合っていく様子はまぶしく、愛おしいです。
二人が出会い、翠蓮を指名することになった暁人と翠蓮が初めて共にした夜のシーン。
「昔から烏は遊郭じゃ嫌われ者なんだ」
「え なんで…」
「朝を知らせるからさ 夜明けは一夜の夢の終わり さめてあとなく明烏(あけがらす)」
「古典か?」
「浄瑠璃だよ」
この会話だけでもどこか切なく美しい。
布団に並んでそんな会話をしながら眠りについた翌朝、目覚めた暁人が目にした翼を広げる翠蓮の姿が、美しい絵柄やモノローグも相まってとても印象的でした。
いたるところで
妖怪と人間、
遊郭で働く男娼と客、
という設定が活かされており、切なくもとても引き込まれました。
翠蓮の過去など、各所の伏線もきちんと回収されます。
ほかの朔ヒロ先生の作品も読んでみて、独自の舞台設定でもきっちり細かいところまで世界観を作り込んで、物語性も高いまま、かつ矛盾や破綻なく世界を紡ぎあげることのできる構成力の高い作家さんなのだなと感じました。
世の中に数多ある作品の中には、物語の始まりだけ壮大でわくわくさせてくれるものの各所の設定の甘さが目について本筋と違うところが気になって話にいまいち入り込めない・・という作品も正直あるのですが、朔ヒロ先生の作品にはそういった部分がなく読みながら感嘆したポイントのひとつでした。
(一か所だけ強いて言えば・・という部分も、続いて発売されたスピンオフ作品の中できっちり回収されていて「さすが…!」と思いました。しかもそれがまたとってつけた感がなく。むしろそのエピソードによって次巻の攻めキャラの魅力が伝わるエピソードになっているという・・と、どこまでも感想を話したくなるのも朔ヒロ先生の作品の魅力のひとつかもしれません。笑)
「明烏夢恋唄」、救済BLがお好きな方はもちろん遊郭や人外ものが好きな方にもおすすめの作品です。
「明烏夢恋唄」と同じ世界線での別カップルを描いたスピンオフ作品として「羅城恋月夜(らじょうこいづきよ)」も発売されているのですが、こちらも非常に面白いです。
作品世界の中での時間軸としては、「明烏夢恋唄」のあとの世界です。
(「羅城恋月夜」では、暁人と翠蓮もちらりと登場しています)
「羅城恋月夜」では暁人と翠蓮がすでに出会ったあとの世界で、新たに妖怪専用の遊郭「かすみ楼」を舞台に陰陽師の紺と四本角の強く美しい鬼・茨木の二人の物語が描かれています。
「鬼に興味がおありとは、変わった陰陽師どのだ」
京都に住む陰陽師・紺は異形や異界に夢中になるあまり、周囲から浮いていた。結界を修復する仕事の依頼を受け、妖怪専門の「遊郭」へ向かう途中で出会ったのは、四本角の美しい鬼・茨木という元男娼で……?【元男娼の茨木童子×妖怪オタクの陰陽師】が織り成す、人外和風ファンタジーBL。
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/261813/
主人公が現代の陰陽師というだけあって、より妖怪の世界がディープに描かれています。
妖怪と人間の価値観の違いなども面白いなと感じました。
こちらの「羅城恋月夜」も、救済BL、人外BLとしておすすめの作品です。
また、シリーズ第3弾として「恋染龍雨衣(こいそめりゅうあめごろも)」も発売されました。
3作品ともメインカップルが異なるためか1巻、2巻・・といった表記ではありませんが、タイトルがすべて
- 漢字五文字
- 『恋』の文字が入っている
で統一されているので同シリーズだと分かりやすいですね。
「お前は今日からおれのものだ。よく仕えよ」
龍神の息子・天玻瑠灘命は、人間の妻を亡くし我を忘れて嵐を起こす父をなだめるため、母にそっくりな遊女を借りに妖怪専門の遊郭・かすみ楼を訪れていた。その帰り、妖怪に襲われて今にも死にそうな人間・地架と出会う。霊感ゼロで妖怪の姿すら見えないのに、想い人を助けるため幽世までやってきた地架のことが気になった玻瑠灘は彼を眷属にするが――。主従関係なのに、まるでケンカップル!?恋に破れた一途な青年と気高き龍の子が紡ぐ、人外和風ファンタジーBL。
https://booklive.jp/product/index/title_id/20054629/vol_no/001
第3弾の「恋染龍雨衣」は、人間の眷属×龍の子の二人をメインとした人外和風ファンタジーBLとなっています。
「青くて苦い」芽玖いろは
ホストのミヤは、女を抱くと男に抱かれたくなる。
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/170188/
そんな時に思い描くのは、片想いしている同僚・タマの顔だった。
想いを伝えるつもりはない。なのに──
「俺が抱くんじゃダメなの?」
抱かれたら、欲が募ってしまった。
一方のタマも、抱かれ馴れた従順なミヤに苛立っていく。
そして、彼を仕込んだのはオーナーだと知り……。
同僚ホスト・タマ×女を抱くと男に抱かれたくなる人気ホスト・ミヤ
の、ホスト×ホストの切ないこじらせ救済BL。
過去、育った施設を飛び出し行き場のなかった自分を拾ってくれたオーナーに仕込まれたせいで女を抱くと男に抱かれたくなるといった癖を持つホストのミヤ。
仕事のためと枕営業で客を抱きながらも、直後にはゆきずりの男と関係を持つ。
でもゆきずりの男を選んだ理由は、片思いをしている同僚のタマに声が似ていたから──、という。
切なく、まさに『青くて苦い』少しシリアス路線のお話です。
タマを想いながらも想いを告げるつもりはなく必死に“ただの同僚”の仮面を被る、幸薄美人のミヤの健気さがたまりません。
そんなミヤに
「俺がミヤを抱くんじゃダメなの?」
と提案するタマ。
汗だくで抱き合ったあとに
「けっこー良かった またいつでも言えよ」
と言うタマに対しての、ミヤのモノローグには胸がぎゅっとなります。
『飯でも誘うみたいに軽く言ったタマの顔を 俺は見ることができなかった』
読み手としては「おい、どういうつもりだタマ~~!!」と拳を握りたくなるのですが、そこからきっちりタマの揺れる心情も描かれていきます。ここからBLの楽しく美味しいところですね。
私含め、ドン底に落ちてから光が差していくのが好きな夜明けの腐女子派閥の方は大好きな展開だと思います。
全体的に登場人物たちのセッ〇スへのハードルは低め。
ミヤとタマお互いに、お互いだけでなく客やオーナー、ゆきずりの男などなどあらゆる相手といたしている描写が散りばめられています。
救済BL、切ないBLが読みたい方、健気な受けがお好きな方にもおすすめの作品です。
ちなみにこちらの「青くて苦い」、芽玖いろは先生の前作「赤くて甘い」のスピンオフ作品なのですが主役カップルが異なるため、「青くて苦い」単独で読んでもまったく問題ない内容になっています。
(実際、私もスピンオフ作品と知らずに購入して読みましたが楽しめました)
前作も気になる、という方は別カップルがメインの「赤くて甘い」もぜひ。
ミヤとタマも登場しています。
歯科医の野田先生は、髪と眼鏡とマスクで常に顔を隠している。ホストの有朋は、太客を逃す原因となった彼の顔を見てやろうと意気込んでいた。そんな時、偶然見たマスクの下の素顔。目が合った瞬間、真っ赤になったその顔は──可愛かった。赤面症だという先生に、克服するための練習相手を買って出た有朋は……。ヒモなホストが赤面症の歯科医にハマって──。
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/168403/
「夜明けの唄」ユノイチカ
「ずっと貴方のそばにいます」
「…残酷なガキだ」黒い海からくる化け物と闘うたび、
命が蝕まれてゆく戦巫子のエルヴァ。それを知った少年アルトは憤り、
エルヴァが救われる術を探しながら、
そばにいることを誓う。そうして8年――。
アルトは精悍な青年へと成長した。
ともに過ごす日々で降りつもった恋心を、
そっと胸にしまったまま…。一方、数年の命と思われたエルヴァは、
何故かアルトと過ごすうちに
回復の兆しをみせていて…?健気に恋する忠犬ワンコと、
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/264063/
無愛想な愛し下手が紡ぐ
ファンタジー・救済ロマンス、第1巻。
あらすじにも『ファンタジー・救済ロマンス』と銘打たれている「夜明けの唄」。
ユノイチカ先生のデビュー作ではありますが、これがデビュー作とは思えないほど物語としての完成度が高いです。「このBLがやばい!」など各所のランキングにランクインしたりと話題にもなりました。
健気に恋する年下忠犬ワンコ・アルト×命が蝕まれてゆく戦巫子・エルヴァ
の二人が織りなす、ビターなファンタジーBLです。
ほかにない独自の設定が引き込まれる「夜明けの唄」ですが、とにかく先が読めない…!
そのぶん一度読み始めると夢中になって読んでしまいます。
夜な夜な黒い海にあらわれる化け物・・
そんな化け物相手にたったひとり剣をふるって闘う、“穢れた戦巫女”覡(かんなぎ)・・
成長しない身体に、島の謎・・
化け物の正体とは・・
など、BL以外の部分でも読み応え抜群です。
ほの暗さもある物語ではありますが、攻めのアルトに闇&病み感がほとんどなく光属性の執着攻めなので作品全体が暗くなりすぎない絶妙なバランスになっています。
救済BLがお好きな方はもちろん、年下×年上モノや、光属性の攻め×闇属性の受けがお好きな方にもおすすめの作品です。
「夜明けの唄」は2024年4月現在、5巻まで発売されています。
電子書籍では1巻、2巻の紙コミックス発売の際にアニメイトセットとして付いていた小冊子を購入して読むことができます。小冊子は1と2、いずれも各20ページ。
『ふたりの解像度がグッと上がる、ファン必読の短編』とされており、小冊子を読み逃していたというファンにはこの電子書籍版での発行は嬉しいお知らせ。本編のエルヴァとアルトの物語に惹かれた方はぜひ小冊子もお楽しみください。
「シュガードラッグ」頼長
最先端の生体研究機関であり、上位研究員の“助手兼愛人”になることがステータスとされる特殊機関「研究特区」。
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/252016/
ハルは、スケベ研究員の助手を断った嫌がらせで天才だけれど変人の天木の部署に配属されることに。
天木が研究する電子薬はかなり怪しげで、突発事故で天木とキメセクしてしまい…!?
とにかく読んで面白かった「シュガードラッグ」。
作者の頼長先生を「引き摺るほど与う」で存じており、気になっていた作家さんだったので先に単行本化された「シュガードラッグ」を軽い気持ちで購入して読んでみたのですが…
結果、ものすごく面白かったです。
『研究特区』という独自の設定も新しい&面白い!
何より、それぞれ別方向にぶっ飛んだ癖の強いキャラクターたちも魅力的。
『研究特区』という特殊な環境下で倫理観が欠如、あるいは一般的な感覚とかけ離れているキャラクターたちばかりなのですが読むうちに全員好きになってしまいます。
そして最中シーンがまた良いのです(大事)。
天才的に優秀で若くして地位も得ているが『変人』と噂される主任の天木と、愛人兼助手となったハル。
最初は研究中の事故により身体の関係から始まったものの、過去の経験から人に心を閉ざし感情を見せることのなかった天木が徐々にハルにハマっていく様が最高です。
救済BLや執着攻めがお好きな方、たった一人受けだけが攻めにとっての『特別』になる作品が好きな方には特におすすめです。
途中のすれ違いに切なくなりながらも、初めは淡々としていた天木がハルを溺愛するようになる変化がたまりません。
切なさと甘さ、両方を楽しめる大好きな作品です。
「シュガードラッグ」は2024年2月現在、2巻まで発売されています。
2巻は1巻と同じく『研究特区』が舞台となっていますが、メインカップルが1巻とは異なります。
薬学主席研究員の玉森は、電子医療学の主席研究員・天木に執着するあまり、天木の助手兼恋人であるハルを引き離そうとハルの元彼・金指陽介を差し向けた。
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/252016/title/2204638/
しかし計画は失敗し、怒り狂った玉森は命を落とすこともある危険な治験に陽介を利用する。
奇跡的に生き残り抗体持ちとなった陽介を気に入った玉森は、実験の重要な「サンプル」として軟禁し、自身にも抗体をつくるため陽介にキスやセックスを求めるように。
そんなある日、玉森から命じられた陽介は玉森を盲目的に崇拝する遺伝子学主席研究員・東間を実験の延長で抱くことになり…!?
2巻では、1巻でも登場したハルの元カレ・金指、薬学主席研究員の玉森がメインとなっています。
2巻がこれまた面白い!
うきうきと新刊の発売を待っている作品のひとつです。
「愛日と花嫁」渚アユム
「もし俺が本当は怖いと言ったら誰かが助けてくれたんだろうか」
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/287682/
突然Ωになった村の青年・ルカは、しきたりによって神様の花嫁――「生贄」になることに…。人を食べるとも言われている神様の元に村を思い嫁ぐのだが…嫁ぎ先の太陽神・クロは噂とは違い――? 神様と紡ぐ日々、それはいつしか愛しいものに変わり――渚アユム渾身のデビューコミックス。
村の守り神アルファ・クロ×神様の花嫁(生贄)として差し出されたオメガ・ルカ
の二人が織りなす、人外BLかつオメガバースBLです。
村のために尽くしてきた青年・ルカは、ある日突然発情しオメガであることが発覚してしまい、『神様の花嫁』とは名ばかりの生贄として差し出されることに。
「人を食べる」ともいわれる神の元へ嫁ぐことになり内心怯えていたものの、実際の神様は思いのほか優しくて──。
渚アユム先生のデビューコミックスですが、すでに世界観の作り込みも、キャラたちの魅力やせりふ回しも抜群です。
また、これは試し読みの時点では予想していなかったのですが・・
いざ購入して読んでみると最中シーンが多い&素晴らしい!
オメガバースものならではの描写などもありとても良かったです。
物語の導入は生贄として差し出されるという切ない設定ですが、中身は愛にあふれたとても暖かい作品でした。
口数こそ多くないものの、賢く穏やかな優しさが伝わるクロがとても魅力的でした。
(そしてそんなクロが最中シーンでルカにがっつくのもまた良い・・)
ちなみにタイトルの「愛日と花嫁」の「愛日」は、「あいじつ」と読みます。
愛日(あいじつ)とは
引用:国語辞典online.『愛日』の意味
- 冬の日。やわらかく暖かい冬の愛すべき日光ということから。
- 日や時間を惜しむこと。
- 日時を惜しんで両親に孝行すること。
互いに寂しさを抱えていたルカとクロが、出会ったことによって冬の温かい日光のように互いの人生を照らした──、そういった意味でのタイトルの名付けなのかなと思ったりしました。
電子書籍ではルカとクロ、二人の後日譚を描いた36ページの短編「愛日と花嫁@吉日」も発売されています。
「鬼と天国」原作:阿賀直己 作画:お吉川京子
高校勤務の青鬼は、最低限しかやる気を出さない省エネ教師。
先輩教師にどやされ、なかなか教室に来ない生徒の様子見のために向かった“保健室”で
初めてまともに話した、どうにも掴めない養護教諭・天獄。
熱心な教師を演じる青鬼の本性をあっさり見破って、にっこり笑顔。この出来事で天獄のことが苦手だと再認識したはずなのに、
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/169850/
「赴任してきてからずうっと見てた」とカミングアウト。
更に青鬼のことを“純情”だと言って、いきなりくちづけをされて――?
上下巻で同時発売された「鬼と天国」。
表紙とタイトルが印象的で、書店で平積みされていたときに目にとまって興味を持ったのですが、読んでみて各所で話題になったのも納得の魅力的な作品でした。
ハイスペック変態ぶっこわれ系アラサー保険医・天獄×くたびれアラフォー教師・青鬼
の大人な二人が織りなす物語。
幼い頃のトラウマが今も残る青鬼と、ハイスペックだけど中身はぶっ飛び気味の保険医・天獄。
(ちなみに、青鬼(あおき)は苗字が“青鬼”なだけの普通の人間です。「鬼と天国」は人外もの、妖怪ものジャンルの作品ではありません。中身を読むまで私自身が「人外ものなのかな?」と思っていたため・・笑)
無理やりの体の関係から始まった二人が、徐々に心を通わせていく過程が丁寧に描かれています。
読み始めの時点ではこんなに心にハマるのを予想していなかったほどに、上巻、下巻、続編の再・・と読み進めるほどに魅力が増す作品です。
※余談ですが・・
こちらの「鬼と天国」、攻めの天獄の見た目や性格がそこはかとなく別の青年漫画(?)の某キャラに似ていると界隈で話題になったことが記憶にあります。両作品を読んだ方ならどのキャラか思い当たる方もいらっしゃいそうです。私もなるほど確かに、と思いました。
(ネガティブな話題のなり方でなく(似ていて)良い…!というような反応でした)
「鬼と天国」は上下2巻で一度完結、その後に続編として「鬼と天国 再」が発売されています。
「鬼と天国 再」がこれまた素晴らしいので、「鬼と天国」が刺さった方はぜひ。
「ハッピー・オブ・ジ・エンド」おげれつたなか
「おめでとう、生きてる」
昼下がりのゴミ捨て場、見覚えのある男の声で目が覚めた。空腹で金もない千紘は新しい“家”探しに訪れた行きつけのバーで
ド好みの男・ケイトに目を奪われ声をかけると好感触。
まさかのホテルに誘われ、いい雰囲気になったところで
突然電マでボコボコに殴られたのが1日前――。全てを思い出すも、仲間を呼ぶケイトの様子を見て
今度こそ殺されるかもしれないと思いつつ回収された先はアパートの一室。
ケイトの目的はとある探し物で、自分が用無しだとわかると
あっさり「消えて」と言い放たれるが帰る“家”もない千紘で…。謎めいたどイケ傷害男×人生底辺ヒモカス男
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/257689/
クソみたいな人生、愛に飢えたふたりの歪な協和音
人気作家のおげれつたなか先生の作品、「ハッピー・オブ・ジ・エンド」。
果たしてハッピーエンドなのか、ジ・エンドなのか──。
さすがのおげれつたなか先生、タイトルの名付けからしてセンス抜群です。
まさに『救済BL』というほどに、かなりつらい過去、苦しい状況にある登場人物たちです。
おげれつたなか先生の描写がうますぎるがゆえにリアルで、正直なところ読む人を選ぶ作品かもと思います。
特に子どもの性被害や虐待描写などが苦手な方は、ある程度の心づもりで挑まないと厳しいかもしれません。私自身も、ケイトの過去シーンなどは読みながらかなり苦しかったです。
闇が濃いからこそ光がまぶしい、そんな作品です。
すべての人におすすめ、とはいきませんが興味を引かれた方、シリアスな救済BLを読みたいという方はぜひ。
おすすめの救済BL作品をご紹介してきました。
どれも魅力的な作品ばかりですので気になる方はぜひ読んでみてください。
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