ハッピー・オブ・ジ・エンド(1巻)/おげれつたなかの感想レビュー

ハッピー・オブ・ジ・エンド 切ない・泣けるBL

※本ページはプロモーションが含まれています。

ハッピー・オブ・ジ・エンド あらすじ

「おめでとう、生きてる」昼下がりのゴミ捨て場、見覚えのある男の声で目が覚めた。空腹で金もない千紘は新しい“家”探しに訪れた行きつけのバーでド好みの男・ケイトに目を奪われ声をかけると好感触。

まさかのホテルに誘われ、いい雰囲気になったところで突然電マでボコボコに殴られたのが1日前――。全てを思い出すも、仲間を呼ぶケイトの様子を見て今度こそ殺されるかもしれないと思いつつ回収された先はアパートの一室。

ケイトの目的はとある探し物で、自分が用無しだとわかるとあっさり「消えて」と言い放たれるが帰る“家”もない千紘で・・・。

謎めいたどイケ傷害男×人生底辺ヒモカス男

クソみたいな人生、愛に飢えたふたりの歪な協和音

https://www.amazon.co.jp/dp/B0976XB7GN/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

ネタバレなしの感想

おげれつたなかさんの新刊!!
大好きなBL作家さんの中でも作者買いしている方なので新作を楽しみにしていました。

タイトルからして不穏でいいですよね。
ハッピーエンドなの? ジエンドなの??という・・

タイトルにもうセンスが溢れている!!

表紙の雰囲気は緑ベースで、書店で平置きされていてもぱっと目を引きそうです。
BL漫画の表紙としてあまり見かけない感じですよね。

表表紙にも裏表紙にもBL漫画によくあるキャラ同士の絡みや肌の露出がないので表紙だけなら“あからさまなBL感”は薄いかなと。
BL漫画は、書店で紙媒体で買う方にとっては表紙デザインでけっこう買いにくいなと感じるものがあったりしますよね。

私は割とどんな表紙でもすっとレジで差し出してしまうほうの人間ですが、表紙デザインや煽り文句によってはいくばくか残っている羞恥心が疼くときがあります・・
(それでも読みたいので買うのですが。そのあたり電子書籍は気楽ですよね。現在は紙と電子書籍と併用しています)

表紙にBL感が薄い分(?)、帯には「じゃあセッ〇スしよう なにも考えなくていいだろ」なんて、直球なセリフシーンが使用されてはいます。

そして私、このハッピーオブジエンドの帯の煽り文句大好きです!

「俺のせいでいいから一緒にいてよ」

「俺のせいでいいから」!!!!!!

これ、個人的にBL界の中でも特に好きな部類の台詞なんですよ。

しかも、おげれつたなかさんの作品。買うしかない。読むしかない。

ここを帯に起用した制作側の方も「分かっていらっしゃる~~!!!」と思いました。

興味惹かれちゃいますよね。

お話はあらすじのとおり。

謎めいたどイケ傷害男×人生底辺ヒモカス男 の二人が織り成す物語。

ちなみに

攻めの「謎めいたどイケ障害男」が表紙にメインで描かれてこちらを見ている黒髪の男(ケイト)で、
受けの「人生底辺ヒモカス男」が表紙奥で煙草を持っている長髪の男(千紘)です。

ネタバレなしの感想としては、一冊でがっつり読み応えあったな~という感じです。
一巻完結だとしても納得するくらいの終わり方(いや、一巻完結だとしたらラストもう少し読みたかった感はあるかも)をしていますが、続巻があるということで二巻も楽しみです。

ネタバレとまではいきませんが、注意事項として個人的に挙げるとしたら

子どもの性的虐待シーンがあります。そういったシーンが何度も出てくる&はっきり描かれていますので、苦手だという方は自衛されるのがいいかもと思います。

また回想シーンなどで、過去に受けや攻めがお互い以外と致しているシーンも描写されます。出会う前ではありますが、これもまた苦手という方はご注意ください。

タイトルや表紙からうかがえる通り、かなり重い展開や胸が痛むシーンも多くあります。
私も泣きながら読みました。

それでも、読後は読んで良かった、と思えたので2巻以降も楽しみに待ちたいと思います。

二人のさらなるラブラブが見られるかなぁ。

あ、最中シーンはあります。
まぁおげれつたなかさんなので(?)
あります!大丈夫()です!

ネタバレありの感想

以降はネタバレありの感想です。

さすがおげれつさんだなと感じたのは、いたるところの細かな描写からケイトがどういう環境でどう育てられてきたのか(育たざるを得なかったのか)が垣間見られるということ。
例えば、千紘が作った手作り料理に対しての感想が「店で食うのより味濃くて不味いけど うまい」なところだったり。
その直前のコマで、ケイトの箸の持ち方や口元への運び方がおかしいというのが見てとれたり。

子どもの頃に親から箸の持ち方や食べ方について注意されたり、食事のマナーを教えられる環境になかったんだろうなということが直接は描かれないものの、読み取ることが出来ます。

実際、その後だんだんと作中でケイトの境遇が明らかになっていきますね。

過去シーンなどは読みながら正直、吐き気をもよおすほどひどいと感じるシーンもありました。
個人的に子どもが辛い目にあうものがニュースはもちろん創作物でもとても辛くなってしまうので苦手ではあるのですが、このあと光が差すことを信じてなんとか読み進めました。

直接や説明的なセリフではないところでしっかりとキャラクターの背景を感じられる描写があることで、説得力やキャラクターの厚みが出ると感じるので、上記の食事シーンはさすがおげれつさんだなぁと感じたシーンでした。

あと、そもそも千紘が食事を作ることになるきっかけのシーンの

「飯作っていいわけ?」

というセリフもまた千紘の性格だったりこれまでの環境を表現してるよな~と。

ただの“図々しいヒモ”と見せかけて、家主の許可のないことは勝手にやらないんだなと。きっとこれまでもそうやって遠慮したり自分なりに線引きして色んな人の元を渡ってきたのかなと考えたりしました。
そう思うとこの一言にもまた千紘の健気さが出ているようで胸がぎゅっとするんですよね。

個人的に「そうとは分からないところで実は健気な受け」がすごくツボなので、千紘はまさにぱっと見そうは見えないのに健気ですよね。
読み進めれば進めるほど健気。幸せになってほしい。

そう、この「ハッピーオブジエンド」、読むほどに「幸せになってくれ~~~」と念じながら読んでいました。

そしてケイトと千紘の家族だったり周りの大人たちはもう本当に腹立たしくて。般若の面被って包丁振り回す気持ちでした。
子どもを食い物にするな!!!!!!守れ!!!!!!!!!

でもケイト、いえ浩然(ハオレン)の母親もまた、最初から“そう”だったわけじゃなく何かの誰かの犠牲になった人なのかもとも思ったりしました。
回想シーンでちらっとあった笑顔で浩然を抱いているシーンは胸が痛みました。道端で亡くなったほうの“母親”も同じく。
何事も一面的ではなく、多面的なものですよね。

BL読みながら私は何を考えてるんだ。

でも世間のBLのイメージはどうか分かりませんが、BL読みながら色々想い耽るのはけっこうあるあるですよね。
恋愛だけじゃないところを描いている作品も多いと感じます。

特にこの数年のおげれつたなかさんは恋愛以外にも主眼を置いた作品が多いような。男性同士の恋愛やセッ〇スだけでない部分も描こうとしてらっしゃるのかなと作品を読んでて感じます。
(「はだける怪物」や「Daisy Jealousy」など)

途中からラストにかけてはおいおい泣きながら読みました。

幸せになってほしいと心から願う2人でした。

2巻の発売も楽しみです!

ハッピー・オブ・ジ・エンド ドラマCD情報

ハッピー・オブ・ジ・エンド(おげれつたなか)はドラマCDの発売も予定されています。

発売日は 2021/10/29

≪キャスト・声優≫
柏木千紘役:江口拓也
ケイト役:立花慎之介

【ドラマCD】ハッピー・オブ・ジ・エンド 3,300円(税込)

https://www.animate-onlineshop.jp/products/detail.php?product_id=1947017

ハッピー・オブ・ジ・エンド 特典情報

購入特典一覧

◆アニメイトさま◆ビジュアルボード

◆とらのあなさま◆【有償特典】アクリルスタンド

◆中央書店コミコミスタジオさま◆発売日前日までのご予約でサイン入りA5サイズ複製原画ペーパー

◆ホーリンラブブックスさま◆B5クリアファイル

※上記すべて、なくなり次第終了となりますのでご了承下さい。

※詳細は各店舗さまにてご確認ください。

https://bl.takeshobo.co.jp/info_qpa/9805/
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