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Daisy Jealousy（デイジージェラシー） あらすじ
不器用で部屋も汚くて鈍感で、でも5年間、俺だけを好きだった。
専門時代、才能に嫉妬していた相手・要と社会人になり再会した三咲。
学生の頃、キスしてきた理由を聞きだしたところ、「キスなんて好きだから以外の理由はないだろ？」と何やらお怒りのようで…？
一途に愛を捧げる天才型童貞攻×努力家な嫉妬型パンピー受
単行本描き下ろしはギョーカイ飲み会。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08MZDKH3L/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
- 作者 おげれつたなか
- 出版社 リブレ
- レーベル ビーボーイコミックスデラックス
ネタバレなしの感想
おげれつたなかさんが描く社会人もの、お仕事系ＢＬ。
まずはもう表紙が美しいですよね。
おげれつたなかさんの画力がいかんなく発揮されています。おげれつたなかさんといえば、キャラクターの繊細な感情表現や濃厚なエロ描写はもちろんのこと、絵柄が好きという方も多いのではないでしょうか。
また、個人的には毎回おげれつたなかさんの作品は毎回タイトルが秀逸だなぁと思うことが多いです。作品のテーマや世界観を表現するためにしっかり熟考してつけられているんだろうなと。毎回センスがめちゃめちゃ良いタイトルだなと思います。
（「はだける怪物」や「エスケープジャーニー」など）
今回の作品のタイトルは「Daisy Jealousy（デイジージェラシー）」。
英語に弱すぎる私がグーグル翻訳さんに意味を尋ねたら「デイジー嫉妬」と返ってきました。
デイジー嫉妬…？？
ジェラシーが嫉妬なのはさすがに分かるのですが、 Daisy はデイジーまんまなの、か？？ わからぬ。
もう少し調べてみたところ、「Daisy」は植物（花）のデイジーの意味のほか「第一級のもの」「すてきなもの」という意味もあるよう。
daisyとは
ヒナギク、フランスギク、第 1 級のもの、すてきなもの
https://ejje.weblio.jp/content/daisy
直訳すると「すてきな嫉妬」「一流の嫉妬」などになるでしょうか。
このまんまの意味ではない作品の雰囲気を表現するための造語なのかもと思いますが、本編を読んだ後だと「デイジー嫉妬」よりは納得の意味のように感じました。
（と書いてみたものの、なにせ私の英語レベルが弱弱なので、まったく見当違いでしたらすみません）
ということで、このタイトルが表すように作中では「ジェラシー（嫉妬）」といった感情がキーとなっています。
一途に愛を捧げる天才型童貞攻（要 かなめ） × 努力家な嫉妬型パンピー受（三咲 みさき）
の二人が繰り広げる物語ですが、三咲は要への好意や尊敬、愛情、激しい嫉妬といった複雑な感情に苦しみます。
公式の特設サイトでも
性格も作品も好き、でもその「才能」だけが嫌い──。
とあります。
同じ業界、同じ土俵に立っている大人の男同士だからこその葛藤がまざまざと描かれている作品です。
「 Daisy Jealousy 」に関しては口コミで絶賛している人がいる一方、普段はおげれつさん作品のファンだけど今回はちょっと・・という方たちも見受けられました。
そして、私もおげれつたなかさん作品大好きですが、読んでみて後者の方たちの気持ちも分かるなと感じたのが率直なところ。
あくまで個人的な感想です。
ジャンルとしてはもちろんＢＬ作品であり、要と三咲の学生時代からさらに社会人として働きだして──という数年に渡る長い年月が257ページ全編で丁寧に描かれています。
未読の方のためにも、詳しい感想は後半のネタバレありのほうで書きたいなと思いますが。
ふんわり触れるなら、恋愛中心でなくてもお仕事ＢＬ、社会人ＢＬとして楽しみたいという方にとっては楽しめるかも。アセット、モデリング、レンダリングetc. 業界用語などもバリバリ出てきます。
ある業界や社会人キャラを描きながら仕事の部分はふわっとしていて「このキャラたちこれで本当に仕事してるのか？」「リアリティ薄すぎるな…」というお仕事ＢＬや社会人ＢＬも時にありますが、この「 Daisy Jealousy 」に関してはまったくそんなことありません。
恐らく業界の方が読んでもリアル～、こんな会話あるある～、となったりするんじゃないでしょうか。
ちなみに作中に出てくる専門用語の意味が知りたい、という方には公式の特設ページ内で「知ってるともっと楽しめるゲーム用語集」として用語の意味が説明されていますので見てみると楽しいかなと思います。
上記のようなお仕事ＢＬとしても楽しむ系の方とは逆に、あくまでＢＬには恋愛感情を主軸とした物語を求めている、濃厚なセッ〇ス描写が読みたい、という方には物足りない、もしくはちょっと違う…となるかもしれないなと思います。
また、個人的な感想として私がこの作品を最高！！とまでハマれなかったのは、攻めの要に“ＢＬ作品の攻め”としての魅力をあまり感じられなかったからかもと思います。
これはもう完全に私の好みの問題ですね。
要の仕事がめちゃ出来るのに奥手で三咲に関して不器用なアピールしか出来ないギャップや一途さが刺さる人には刺さると思うのですが、私はそのキャラ設定にいまいちハマれませんでした。
攻めは童貞でなんぼ！！奥手、コミュ障、童貞攻めどんとこい！！ な方には要ハマりそう。
あとは受けの三咲の、どんなに努力しても望んでも望む自分になれない要には敵わないという劣等感や嫉妬心、苦しみが読んでいて辛く感じたというのもあります。
仕事だったり自分のキャリアに悩んでいて、現実世界から離れて創作物を楽しみたいという時に読むにはちょっとタイミングが悪かったのかも。別のタイミングで読み返したら、手のひらクルーして「最高！ 名作だったわ！！」とか言っているかもしれません（笑）
おげれつたなかさんが素晴らしい創作者だということはバチバチに伝わった作品でした。
特設ページにはスペシャル隠しコンテンツあり
「 Daisy Jealousy 」は本編を読了後、最後のページにスペシャルプレゼント（というかスペシャルプレゼントの隠し場所のお知らせ） があります！
ゲーム業界を描いた作品だからこその特典で、すごく面白い試みだな～と思いました！
手が込んでいて読んだ後にも楽しみがあって、このプレゼントめちゃくちゃ読者に優しい企画だなと思いました。コミックス一冊分の料金を支払っただけであのコンテンツを無料で楽しませてもらえたのはとっても有り難い。
あの隠しコンテンツを楽しんだ後に、あれを踏まえてもう一回本編を読みたくなった方が多いんじゃないでしょうか。
未読の方はぜひそちらも楽しみにして読んでみてください。
ネタバレありの感想
ネタバレなしのほうで色々書きましたが、ここを読んでくださっている既読組の皆さんは 「 Daisy Jealousy 」 いかがでしたか？
作者であるおげれつたなかさんの、
男同士の好きだ嫌いだという恋愛部分だけにフォーカスをあてたものではない作品を描きたい、そこだけでない大人の男同士、独立した人間同士の感情のもつれを描いていきたい
という意欲をとても感じる作品だったなと個人的には思いました。
その分、そこはそれほど求めてなかった・・おげれつたなかさんの描くキャラ同士のがっつり恋愛ものが読みたかった・・という読者の方には刺さらなかったのかなと。（まぁ万人の好かれる作品なんてそもそも存在しないわけですが）
そして私もこの作品を読んだタイミングではあまり・・側でした。ですが上記でも触れたとおり、今後読み返したタイミングによっては「めちゃくちゃ良い作品！」と言っているかもしれません（笑）
読む側のコンディションやタイミングも大事。
一番は、攻めの要にハマれなかったなぁと。もう完全に好みの問題なので好きな方には申し訳ないです。独断と偏見の超絶個人的感想なのでスルーしていただければと…。
突然別作品の話をしますが、おげれつたなかさんの「ヤリチン☆ビッチ部」の百合くんが好きなんです。そして、その相手役（？）として登場したジミーこと藤咲くんは苦手なのです・・
要と藤咲くんには似たものを感じるというか。見た目は別にしてなんだか“もっさり”しているというか。この系統のキャラが単に私にはあまり合わないのかな。（あくまで私には、です）
学生時代に一生懸命、三咲の大好物である（と要が思い込んでいる）焼き鳥屋に誘う要は可愛かったです。
ただその後の「三咲は頑張り屋さんだね」発言とかが・・ 合わなかったですね・・
二十歳前後の男が同級生の男に頬染めて「頑張り屋さん」だぁ！？？
どこから目線だ？？ となってしまい。
そりゃ、三咲もイラッとするわ。引っかかるわ。心のコップに色々貯まるわ。溢れるわ。という。
三咲視点から見ると、いくらコミュ障だったとしても要の言動があまりに無神経で三咲の神経を逆なでするものばかりで読んでてこっちも要にイラっとしてしまうという。
逆に、要が三咲に惹かれるのは分かるなぁと思いました。
私もまた“凡人”側であるがゆえに要の諸々が引っかかってしまうのか・・
あ、最中シーンの要の「テクスチャ綺麗だな」発言は爆笑しました（笑）
テクスチャ！！！！
どこ見て何言ってんの？？？？？
攻めに魅力をあまり見いだせなかったという点で、読んだ時点での私にはあまり・・となった作品でした。でも要が三咲を思う気持ちは疑いようがなく。攻めの愛情が重いという点はとても好きポイントなので、また少し寝かせたあとに読み返したいと思います。
Daisy Jealousy（デイジージェラシー） ドラマCD情報
2022年3月現在では「 Daisy Jealousy（デイジージェラシー） 」のドラマCD化の情報は見つけられませんでした。
