たぶんきっと、明日のナズナは/田中森よこたの感想レビュー

たぶんきっと、明日のナズナは 人外・獣人BL

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たぶんきっと、明日のナズナは あらすじ

客もろくに取れず、三日後に処分されるはずだったけもののナズナ。 ある日店に一本の電話が入り、最後の飼い主、セリのもとへ引き取られることになる。 今まで道具のようにしか扱われたことがなかったナズナだったが、セリの優しさに触れ、少しずつ愛情を覚えていく。

https://www.coco-leka.com/works?pgid=klbzf4k0-001f8e6a-58e3-4286-989c-4d84834258b2

◆収録内容◆

・たぶんきっと、明日のナズナは

・恋するけものは恋をしらない 前編

・恋するけものは恋をしらない 後編

・恋するけものは恋をしらない-はじめての夜-

・描き下ろし漫画

・電子限定描き下ろし漫画

https://www.coco-leka.com/works?pgid=klbzf4k0-001f8e6a-58e3-4286-989c-4d84834258b2
  • 作者 田中森よこた
  • レーベル ココレカ

ネタバレなしの感想

田中森よこたさんが得意とされる可哀想で可愛い受けの登場する作品。

ケモ耳のナズナ(受け)がちょっとゆるふわおつむのかわいこちゃんです。

一時期よくtwitterの広告などでも流れてきていましたね。「可愛いケモ耳の女の子だと思ってたら男!?」なんてリプがついていたりしましたが、確かに絵柄や表紙などではぱっと見女の子にも見えるような可愛いナズナです。

商業BL作品読まれている方や二次創作たしなまれている方は、作者さまの絵柄に「あの方だ!」となった方も多いかもしれませんね。

可哀想可愛い子はとても好みなのでもちろん買いました(笑)

元々は作者さまが創作BLとして同人誌としても頒布されていたようなのですが、商業BLとして単行本版が発売されたのを機に購入。私が購入した電子書籍版には

「同人版・商業版共通 描き下ろし」と「同人版限定 描き下ろし」が掲載されていました。

さてお話についてですが、

冒頭からけっこうショッキングな絵面でスタートします。

鎖で首を繋がれたナズナが娼館で客を取らされているというシーンです。

「たぶんきっと 明日のナズナは今日より しあわせ」

というナズナのモノローグとの対比でよりナズナの境遇の過酷さひどさが伝わります。

その後にモノローグは

「毎日毎日 そう信じてるのに (略) はやく会いたいよ ナズナのやさしい旦那さま」

と続きます。娼館で安い金で客を取らされ、それでもあまり客がつかないという理由でとうとう殺処分(ひどい…)寸前という状態だったナズナが『旦那さま』セリに引き取られ──

というストーリー。

飼い主となるセリは人間で、ナズナはケモ耳やしっぽの生えた獣人のような見た目。ナズナたちのような人間(獣人?)は作中では「けもの」と呼ばれています。

詳しい世界観や設定の説明などは作中ではなされないのですが、人間のほうが地位が高く、「けもの」たちは「人間」に飼われる、というような世界のようです。 飼うといってもペット感覚あるいは使用人としての意味だけでなく、いわゆる夜の相手という意味で引き取っている面もあるよう。

ナズナを買い受けたセリですが、あらすじだけ見るといかにも心優しい“旦那さま”っぽいのですが実際は女遊びはするし口も態度も悪いし。でも言動の端々が優しい、というタイプ。

最初は表紙通りの幼いナズナですが、途中で少し成長した姿へと変わります。

ちなみに、最中シーンはばっちりあります。

ショタものが好きな方なら初期ナズナは最高! となりそうですし、

逆にショタものが苦手、もしくは健全系じゃないと無理、な方にとってはちょっと厳しい作品だと思います。

そのあたりはぜひ試し読みで見極めてみてください。

ネタバレありの感想

ナズナがとにかく健気でいじらしくてアホ可愛い。

なんだかんだとセリが放っておけないのも納得です。

成長したナズナがセリに寝室に呼ばれた際に、「念入りに洗っとこう」とお風呂でごしごししてる一コマが可愛すぎました。

(あとたまに台詞の吹き出しがケモ耳形になってるのも可愛かった)

ナズナは作中でこれでもかというほど何度も辛い目にあい傷ついていましたね。

あぁ、また!

ひぇ、まだ…!!

と何度思ったことか。

田中森よこたさんのほかの作品もいくつか読んだことがあるのですが、作者さまの性癖というか好みなのかなと思ったりしました。割とそういったキャラクターや展開を一貫されているように感じます。

なので、好きな方はめちゃくちゃ好きだしきっとハマりますよね。

田中森よこたさんの「ところで今は何番目でしょうか。」なども一途で健気な受けが登場します。タイトルからもう切なさがにじみ出ていますね。

作品の幅が広いのも素晴らしいと思いますが、作者さまの好きな世界観、好きな展開で一貫して描いてくださるのもまた素晴らしいなぁと感じます。

たまに作者さま側あるいは読者側が「いつも同じような展開」「同じようなキャラ設定」ということをマイナスなことのように語られることがありますが、個人的にはまったくマイナス要素だと思いません。

大好きなラーメン屋さんがあったとして、「いつもラーメンじゃん」「ケーキや海鮮丼とかもっと幅広く出せよ」なんて思いませんよね。

いつ行っても自分好みの美味しいラーメンが提供されている。

最高に有難いことです。

「ありがとうございます! あなたのラーメンが大好きです!!」

と思いこそすれ、何もマイナスなことはありません。

なんだかだいぶ話がずれました。

さて私は何を書こうとしていたのか()

とにかく(?)作品を生み出してくださる多くの作者さまたちには大感謝ですね。

「たぶんきっと、明日のナズナは」、最初ゴボウのようと言われていたガリガリのナズナが、成長して脱いだらもちもちむちむちつやつやしていたのが色っぽかったです。

絶望が濃いほどその後に迎える幸せが光り輝く。

夜明け系BL好きとして楽しく読みました!

たぶんきっと、明日のナズナは ドラマCD情報

2021年8月現在では「たぶんきっと、明日のナズナは」のドラマCD化の情報は見つけられませんでした。

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