リバース/麻生ミツ晃の感想レビュー

リバース オメガバースBL

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リバース あらすじ

小説家の円と警察官の吐木は、同じ施設で育った”同志”で”番”。

円はフェロモン分泌が異常で番以外の人間もそのフェロモンを感知してしまう上、番関係を結んだことで遺伝子変化が起こり、一般の抑制剤も効かなくなっている──そう、振る舞っている。

何も知らない吐木は円を支える為と出世を蹴り続け、所轄への異動初日に担当することになったのは、Ωを狙ったレイプ事件。

そんな中、円は発情期に入り強烈なフェロモンを発しながら吐木を求める──

まるでΩのように……

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  • 作者 麻生ミツ晃
  • 出版社 海王社

ネタバレなしの感想

期間限定で普段より多めに試し読みができる、という期間にたまたま読んであまりにも続きが気になり電子で購入した作品。

オメガバースものでありながら、“犯人は誰なのか”というミステリー要素もある読み応えたっぷりの一冊です。

1巻完結ですが、なんとページ数が299ページもあります!

通常のBLコミックは大体180~210ページくらいのものが多いので、ページ数はかなり多い方だと思います。

オメガバースでありミステリー要素もあり、また二人の過去も関係してくるといった少し入り組んだストーリーのため描き切るためにこのくらいのページ数が必要だったのだと思います。

最初から最後までしっかりと主役カップルである円と吐木の物語だけを読めるので満足度も高く、作品世界に没頭したまま最後まで夢中で読み終わることが出来ます。

とある口コミで「何を言ってもネタバレになる」とあったのですが、まさにその通り。

まだ「リバース」を読んでいなくてまっさらに楽しみたいという方は、このあとのネタバレあり感想は読まずにまずはご自身で読んでみるのが最高に楽しめると思います。

結末も理由も謎も、何も知らずに読めるのは初回だけですから。

(素晴らしい作品に対して記憶を失ってまたあの初めて出会ったときの衝撃を味わいたい!!と思うことありますよね)

勘のいい方は、あらすじや試し読みの時点である程度この物語のキーになる部分を察することができるかもと思います。

ネタバレになりそうな感想は後半にまわし、ここではおすすめだけしておきます(笑)

試し読みで「続きが気になる」「もっと読みたい」と思えた方は読んで損はないと思います。

ネタバレありの感想

さて、これ以降は心置きなくネタバレについても触れながら感想を書いていきたいと思います。

とにかくこの「リバース」は、受けである円の健気さが胸を打ちます。

別の記事でも書いたのですが、個人的に「一見そうとは見えないのに実は健気な受け」がものすごくツボなのです。

円はまさに、で試し読みの時点で感じ取った健気オーラにやられて購入してしまいました。結果、買ってよかった…!

あらすじの時点でも巧妙に“匂わせ”されていますよね。

円はフェロモン分泌が異常で番以外の人間もそのフェロモンを感知してしまう上、番関係を結んだことで遺伝子変化が起こり、一般の抑制剤も効かなくなっている──そう、振る舞っている。

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そんな中、円は発情期に入り強烈なフェロモンを発しながら吐木を求める──

まるでΩのように……

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「そう振る舞っている」「まるでΩのように……」

本編を読んでいない方も、このあらすじ時点で「あれ、もしかして円はオメガじゃないのか…?」と察せられそうですよね。

オメガバものでは、王道はもちろんアルファ×オメガですが

(というかそもそもオメガバースという設定自体、リバNGの固定派の海外の方が作り出したジャンル、とどこかで見た気がするのですが、今となっては組み合わせなんでもありですね。さすがあくなき可能性を探り続けるオタクの勇士たちという感じ)

個人的に

アルファ×ベータ や ベータ×オメガ

もとても好きです。

ということでざっとネタバレ部分をお話してしまうと、

円は実際はベータなのに吐木のためにオメガを装っており、実際の二人は番関係ではないんですよね。

当然ベータにはヒートやフェロモン(オメガ特有の香り)もないので、円はオメガを装うため必死にあれこれ工作をするわけですが、その様子がもういじらしくて痛々しくて胸が締め付けられます。

吐木の好みを考えながらフェロモンを装うための香水を選んでいるシーンは何度読んでもうるっとしてしまいます。

吐木の知らないところでどれほど円が献身しているか…!

そして、円がまた自身を投げうって尽くすほど吐木のことを深く想っているくせに、吐木の前では素っ気ないんですよね。

愛情や献身、自己犠牲をまったく見せていなくて。そんな様子も健気だなと心つかまれました。

こういった夜明け系BL作品は、途中までの辛さ切なさが増すほどにラストに迎える幸せが最高に気持ちよくて大好きです。

ちなみに一連の事件の犯人、皆さま予想は当たりましたか?

私は試し読みの時点では円の担当編集者かな? と思っていましたが、実際は吐木の後輩刑事でしたね。途中でやっと気づけました。

読んでいる途中までは、犯人のミスリードとして読者は円や編集者を疑うようにうまく描かれていたような気がします。

泣きたい、胸がぎゅうっと締め付けられるような切ないBLが読みたいというときには最適な作品だと思います。

「リバース」素晴らしかったです! たぶん何度も読みかえします!

リバース ドラマCD情報

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■キャスト

興津和幸(化野円役)

小野友樹(吐木幸村役)

熊谷健太郎(鷺沼四朗役)

八代拓(漣役)

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